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《学びの森の生態図鑑No.31》
森の中を散策していると突然出現した大きな白い塊。
『オニフスベ』と呼ばれるキノコです。
遊歩道脇で見つけたオニフスベ
『オニ(のように大きな)フスベ(瘤)』が和名の由来とあって、大きさは直径20〜50cmにもなります。
手に持ってみました
夏から秋にかけて庭先や田んぼの畦、公園等に発生します。他のキノコと違い、一夜の内にこの大きさに育つのが特徴です。
ゴムボールのように硬い外皮の中には胞子の素(幼菌)がビッシリと詰まっています。
オニフスベの断面
育った当初は白くはんぺんのような弾力がありますが、次第に褐色の臭い臭液を出し始め、最終的に紫褐色のほこり状になります。
そして外皮が剥がれた後、風に吹かれるとほこり状の胞子が飛んでいき、最後は外皮もろとも跡形も無く消えてしまいます。
キノコとなると「食べられるの?」と疑問に思われる方も多いでしょう。オニフスベは白い幼菌の頃は食べることができます。外皮を剥いて中の幼菌部分のみ可食です。ただし、成熟した(内部が変色した)ものはアンモニア臭がキツく、食用ではないのでご注意ください。
食感は先述したようにはんぺんに近く、味は非常に淡白です。フライやソテーとして広く食べられているようです。
突然現れ、突然消える様子は観察していると驚きの連続だと思います。秋に向けて森の様子も少しずつ変化してくるこの時期に、間違い探し感覚でぜひ探してみてください。
(写真・解説の提供:宮城県森林インストラクター協会)